民法について学びましょう 連載11

”時効(民事)”
時効
真実の法的な権利義務と異なる事実が長期間にわたって継続した場合、事実関係を認める制度
・時効の完成・・・事実状態の一定期間の継続
・当事者が時効の援用をしなければならない→時効が成立しているとしても、その利益を受ける者が裁判所に主張しなければ裁判所は判断できない

なぜ時効制度があるのか 
①事実状態の継続
②証明の困難(困難さを救うため)
③権利者の怠慢

消滅時効
 権利を行使しない状態が一定期間続くことにより、その権利を消滅させる制度
  ・所有権・・・時効にかからない
  ・債権・・・・10年 短期消滅時効は5年から1年(飲み屋のツケは1年など)
商事債権時効は5年(商行為によるもの)
  ・債権・所有権以外の財産権・・・20年
(不法行為による損害賠償請求権→損害および加害者を知ってから3年、不法行為の時より20年)

取得時効
ある者が他人の物を一定期間続けて占有しているという事実がある場合、その物の所有権をある者に与える
所有権以外の財産権を一定期間続けて行使している事実がある場合、ある者に財産権を与える

※取得時効の要件
①所有者でない者が20年間所有の意思を持って平穏かつ公然に他人の物を占領した場合
→自分の物と思って占有していることなので借りている場合はダメ
②所有者でない者が10年間、①の要件を満たし専有の開始時に善意無過失の時
・相手方は平穏でなかったことを証明しなければならない

時効の中断
一定期間継続中に、一定の事実の発生によって中断した場合新たに時効期間が始まる
※中断事由 ①請求 ②差し押さえ・仮差押さえ・仮処分 ③承認
・裁判外の催促の場合、6ヶ月以内に裁判上の請求をしなければ中断にならない

時効の停止  
時効が完成していても、権利者が権利行使をすることが困難の場合
→自然災害等で請求できない場合は遅らせることができる(大震災など)  

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